Je verse trop de larmes

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help RSS フランス語で囁く愛の言葉

<<   作成日時 : 2008/07/19 01:15   >>

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Je t'aime à la folie.
狂おしいほど愛してる。
Je t'aime à croquer.
たべちゃいたいほど君が好き。

Tu m'aimes?
私のことが好き?
Embrasse moi.
キスして。
Je t'adore.
大好き。

Je t'aime de mon coeur.
心から君を愛してる。

Je vous suis attaché.
私はあなたのそばにいます。

Tu as de très beaux yeux.
君は綺麗な目を持っている。
Je suis heureux avec toi.
君といると幸せだ。

Je suis amoureuse de toi.
私は貴方に恋してる。
Parlez moi d'amour.
愛していると言って。


谷口さんと初めて逢ったのは、まだ俺の世界が音で満ち溢れていた時。
肩甲骨の少し下まで伸ばした髪の持ち主で、年相応の少女だった。
制服は水色のスカーフをつけたセーラーで、紺色のスカートは膝より少し上の服装が清楚感を漂わせていた。

高校3年生の7月17日、俺は音がない世界の住人になった。
原因はストレスだった。
県内トップレベルの進学校の高校に進学した俺を両親はひどくよろこんだ。
もちろん、両親に喜んでもらえて嬉しかった。
でも、両親からの期待が俺への重圧に変わったのは、入学してからだった。
父さんは専門学校、母さんは短大卒で就職した。
4年制の大学へは行きたくても行けなかった2人。
だから子供には4年制の大学に行って欲しかったんだと思う。
でも、人間は欲張りな生き物だ。
両親はその願いだけではなく、『全国区で名のある大学への進学』を望み始めた。
県内トップレベルの進学校の高校に進学したからと言って、全員が同じ偏差値ではない。
そんな事は当たり前の事。
でも、学校生活が進むにつれ両親は、挨拶の他はほとんど『勉強しろ』の一言しか言わなくなった。
食事や睡眠の他は勉強机に向かうばかり。
そんな時、俺は自室で倒れた。
この時、意識がなかったから分からないが、目覚めたら消毒の臭いが満ちている部屋のベットの上にいた。
母さんは、パイプ椅子に座りながら眠っていた。
状況判断が出来そうで、出来なくて。
ナースコールを押したら、1人の医師と2人の看護師が入ってきた。
ここで可笑しな事に気づいた。
医師たちが開けた扉の音が聴こえない。

ドンナオトモキコエナカッタンダ。

それから暫くして退院は出来た。
でも、音は戻らなかった・・・・。
高校はまだ黒板に文字が書かれるから勉強が出来ないわけではない。
でも、大学は違う。
講義が大半になる、音が聴こえない者が行ってもお金のムダに思えた。

英語は元々得意だった。
だから、通信教育で翻訳家になれるように勉強した。

通信教育終了後、いくつかの出版社と契約した。
アメリカから輸入した、児童絵本や小説の翻訳とか。

契約した出版社の1つの会社に彼女を見つけた。
打ち合わせのために会社に来ていた時だった。
高校時代と変わらない雰囲気で、変わっていたのは、肩に付くぐらいの髪の長さと女性らしくなっていたこと。
編集長に筆談用に用意されていた紙に、彼女を僕の担当にしてくれるように頼みこんだ。

数日後、彼女は原稿を引き取りに俺が住んでいるマンションにやってきた。
音を失って以来、両親は俺に物事を強制しなくなった。
学校の友人や教師たちも俺に対する態度を変えた。
でもかわらないものもあった。
周囲は俺をあからさまに避けた。
でも谷口さんは違った、それが嬉しかった。
高校卒業してもう、11年。

諦めていた想いが、感情が沸々と湧いてきた感じがした。
あの頃も今も、彼女に対する想いは変わっていなかったようだ。


スーツ姿でやって来た彼女。
最近は女性でもズボンを穿くのだと感嘆した。
化粧はそんなにしていないように見える。
彼女はカバンからファイルを取り出して、ファイルをチラチラ見ながら指を動かした。
とてもしどろもどろに。
指文字だ。
『谷口優菜です』
彼女にとって自分の名前を伝えるのに、こんなに苦労した事はないどろうと思った。
俺は彼女が見ていたファイル、50音順に書かれた平仮名の下に各指文字の仕方を書いてある表を見て1文字づつ指を指した。
『鹿島蓮です』

自己紹介を終えた後、コーヒーを入れるためにキッチンに向かう。
彼女のためにミルクと砂糖を添える。
出来たてのコーヒーを彼女に渡すと、お辞儀をされた。
彼女は俺と同じでブラックで飲んだ。

俺はパソコンのワードを開いて文字を打ったのを彼女に見せた。
『コーヒーの味はどうですか?』
彼女はキーを叩く。
『ちょうど良い味加減です』
彼女は打った画面を俺に見せ、返事を打つ。
『それは良かった』
『原稿は出来てますか?先生』
『担当者らしい科白ですね』
『担当者ですから』
『出来てますよ、原稿はこれです』
茶封筒に入っている原稿を彼女に渡す。
『ありがとうございます』
『僕のこと分かります?』
『鹿島くんでしょ?驚いた』
『うん、久ぶり』
『イイ男になったじゃない、これからはビジネスパートナーとして宜しくね』
『そっちも美人になった、宜しく』

しばらくして彼女は出版社に戻った。
他社の仕事があるから、これから取り掛からなくては。
音が聴こえていた俺と耳が聞こえない俺を知っている彼女。

過去を繋ぐのは彼女しかいなくて。
誰にも取られたくなかったんだ。


今日は会社の方に鹿島クンがやって来る。
私が勤める出版社の最寄駅から6つ離れた駅の傍のマンションに住んでいる彼。
今日は彼の方がやってくるので、小会議室の部屋を予約しておいた。

待ち合わせの10分前に着いた彼は、私が出した麦茶を飲んでいる。
冷房の設定温度は28度。
エコ、エコと最近は会社も色々と取り組んでいる。

筆談用の紙に文字を書いて仕事を進める。
『今日は来てくれてありがとう』
『いつもは来てもってばかりだし』
あら、綺麗な字。
羨ましい・・・。
『ねぇ、次はこんな内容の本だけど翻訳してみる?』
彼女はその作品の概要が書かれてある紙を俺に見せた。
『ページ数が半端じゃないね』
『それも上下セット』
『2倍か・・・、大変そう』
『どお?』
『他の出版社の仕事はもうすぐ終わりそうだし、大丈夫』
『ありがとう』
『でも、出来るかな』
『どうして?』
『恋愛ものみたいだし』
『色んな恋をしてきたでしょ?』
『色んな・・・か、』
『女の気持ちとか、私がアドバイスするから』
『頼もしいね、宜しく』

それから彼にその作品の本を渡す。
それにしてもこの本重い・・・。
片手で2冊を軽々持つ彼を見ると、男だなぁと思う。
彼を正面玄関まで送り、社内に入ろうとした時、肩を叩かれた。
振り向くと、目の前にいたのは見送ったはずの彼。
何だろうと、ボケ〜っと鹿島クンを見てたら左頬に何かが当たった。
その温もりが離れると、鹿島クンは今度こそ帰って行った。
急に顔が赤くなったと思う。
キスされた・・・。
でも、何で??


定時よりちょっと遅く仕事を終えた。
昼間のキスを思い出すと恥ずかしい・・・。
まだお昼前だったから人が少なかったのが救いでしかないよ〜。

電車が来るまで時間があったから、駅内の本屋でハーレクインの新刊の立ち読み。
彼氏がいないし、こんな恋愛してみたいと思いつつ読んでいく。
じれったいわね!!と思いながら物語を読む私。
時間なので、きりの良いところで読み終え改札に向かう。

読んでいた作品でキスシーンがあった。
情熱的なキス。
右手の中指が唇に触れる。
彼とのキスはどんな味?
電車の中にいるにも関わらずそんな事を考えてしまった。
全部ぜ〜んぶ、鹿島クンが悪いんだ!


週末開けの月曜日、彼のマンションに行くことに。
鍵は開けてあったので、お邪魔します。
眼鏡をかけてパソコンに向かっている彼は、目の保養になるなぁと思う。
そんなことを考えながら、ジッと見ていると、彼と目線が合った。
恥ずかしくて、目が合わせられない!!
彼は立ち上がって、椅子を引いてくれた。
そこに私が座ると、コーヒーを入れてきてくれた。
覚えたての手話で『ありがとう』と言ったら、彼は嬉しそうに笑った。

そこそこ進んでいるらしく、彼から注文を受けた資料を渡す。
彼も手話で『ありがとう』と言ってくれた。

私のお気に入りのケーキ屋で買ってきたケーキを彼に渡す。
ちょうど3時だし、私も小腹がすいたんだもん。
彼にはショートケーキ、私は大好きなチーズケーキ。
『今度はチョコね』と彼に言われた。

紅茶もあるらしく、今度は紅茶を用意してもらった。
味は定番のアールグレイ。
美味しい・・・、至福の時間だわ。
と思いながらパクパクケーキを食べる。
彼の顔を見ると、視線が合ってしまった。
しかも笑われた・・・。

悔しいけど、鹿島クンとこんな風に過ごす時間は嫌いじゃない。


美味しそうにチーズケーキを食べている彼女。
しかし、ホントにケーキが美味しい。
また食べたくて、『今度はチョコね』と伝えておいた。
しばらくして彼女は帰っていった。

1人に戻った部屋。
テレビなんてこの部屋にはない、あってもムダだから。

数日前、彼女の右頬にキスをしてしまった。
どうしてか?なんて訊かれても分からない。
ただ『したい』という衝動にかられた。
彼女に自分の存在を強く植え付けたかったのかもしれない。
唇を離して彼女の顔を見たら、「何が起こったのか分からない」と表情が言っていた。

高校の時から想いは変わってないんだ。
彼女は俺にとって大切な人なんだ。


彼から会社のパソコンにメールが届いた。
今度も、また資料を持ってきて欲しいという内容。
彼が指定してきた内容の資料を持って彼のマンションに向かう。

鍵は相変わらず開いていて、重い資料をセッセと彼に渡そうとした。
そしたら彼は、リビングにある大きなソファに身を預けて寝ていた。
175センチ近くであろう身長は、ソファからはみ出してしたけど。
窓が開いて、レースが風で揺れている。
彼の前髪はちょっとだけなびく。
日ごろから思ってたけど、綺麗な肌だぁ。
うわ、睫毛が長い・・・。

自分でも理解できないけれど、自分から彼の右頬にキスをしてしまった。
そっと触れて、そっと離れる。
何をやったのかをきづいたら恥ずかしくなって下を向いてしまった。
目線を恐る恐る鹿島クンに戻すと、彼の目はパッチリと開いていた。
ウギャ〜〜と内心思い、また下を向いてしまった。
彼に左肩をツンツンされまた目線を戻したら、彼からの2回目のキスを受ける。
今度は唇に。

もう、彼の傍から離れられない。


彼女が自分の趣味を俺に話してくれる時の目はキラキラしている。
最近はインテリアに凝っているらしく、輸入雑貨店に足を運んでいるそうだ。
インテリアの専門雑誌を彼女に見せてもらう。
俺の趣味じゃないな、と感じた。
どちらかと言えば、〔シンプル イズ ベスト〕の俺には無縁に思えた。
この部屋もどちらかと言えば、モダン系だ。

でもやっぱり、彼女の話も好きだ。
目線をシッカリと俺に向けてくれて、筆談用の紙を渡してくれる。

日曜日の午後、ユーナが初めて俺の部屋にプライベートとしてやってきた日の出来事。


彼女は俺に唐突に彼女の字で書かれた紙を見せられた。
『手話を教えて』と中心にでかでかと書いてある。
嬉しい気持ちもあるけれど、情けない気持ちもある。
彼女は俺と手話で話すために学ぼうとしている。
でも、他の男や耳が聴こえていた頃の俺なら、こんな苦労をしなかっただろうに。

彼女は1度決めたら、最後までやるタイプのお嬢さんだから、
俺が拒否をしたら、独学でやるだろうし・・・。
『いいよ』
と大きく『手話を教えて』と書かれてある紙の隅に書いた。
『ありがとう、蓮』
と手話で返事が来た。

2回目のキスの後、お互いを名前で呼ぶようにした。
俺は文字では『谷口さん』と書きながらも、内心は『ユーナ』と言っていたから抵抗はなかった。
でも彼女はなかなか書いてくれなかった。
『私は苗字でいい』とか『クンをつけるなら・・・』と書かれたけど、なんとか『蓮』と書かせることが出来た。

俺にとってのユーナとの小さな幸せ。

10
「最近、肌がツヤツヤだこと」
同僚の佐竹奏が言ってきた。
「あんがと、パックのおかげかな」
と社員食堂で昼ご飯を食べながら話していた。
奏はAランチのエビフライセットで、私はソバを頼んだ。
「どーよ、あの翻訳先生は」
「別に、何でもない、けど・・・」
「嘘つき、照れちゃって」
「恥ずかしい・・・」
「遅い春だこと、今は蝉が元気な8月なんだけど」
「・・・」
「まあ、仲良くやって下さいな」
「う、ん」
もうすぐ昼休みが終わる。

なんだか蓮との関係が認められたみたいで、嬉しかった。

11
今日も本屋でハーレクインの新刊の立ち読み。
今日のストーリーは男が押せ押せのものだった。
気になる女性に何度も何度もアプローチしている。
「愛している」とか「君なしでは生きていけないとか・・・

そーいえば、蓮から『愛している』なんて手話でも文字でも言われたことがない。
まだ蓮の声が聴こえてきた高校時代。
変声期は来たの?と思うぐらい、周囲の男子に比べれば高い声だった。

満員電車の中、吊り革にを左手で持って揺られながら、
そんな事を考えていた。

1度で良いから、蓮から『愛している』と言われたい。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
「縁繋」管理人の夜桜音と申します。
この度はメールをありがとうございます。
使われる個数も使い方もお好きにどうぞ!
もちろん途中放棄も可ですので気兼ねせずお使い下さい。
私としては使って頂けるだけで嬉しいので。
それでは、乱文失礼しました。
夜桜音
2008/07/20 00:43
夜桜音様
コメント、ご了承ありがとうございました。
またサイトの方に遊びにいかせていただきます。
また読んでいただけると嬉しく思います。
伊山友梨華
2008/07/20 17:34
健常者と耳が不自由な者との恋愛・・・難しいでしょうが
がんばってください。
眼鏡男子好きの蛙はすでに蓮にラブ目線です(笑
青蛙
2008/07/31 20:31
青蛙様
コメントありがとうございました。
難しいですけど頑張ります。
眼鏡の似合う男性は私も好きです。
また読んでいただけると嬉しく思います。
伊山友梨華
2008/07/31 21:24

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